八代法律相談

監修/八代綜合法律相談事務所 弁護士
髙橋 知寛 先生

少し前の話ですが、平成25年に最高裁判所が、ある法律が憲法に違反しているという判決を下しました。
ある男性Aが、法律上の配偶者Bとの間に子を授かり、法律上の配偶者ではないCとの間にも子を授かった(Aは認知をしたものとします)場合、Aが死亡した際の相続について、AC間のこの相続分はAB間の相続分の2分の1とする法律がありましたが、最高裁判所はこの法律が憲法14条1項(平等原則)に違反すると判断したのです。
この法律は、これまで何十年もの間、多くの方の相続の際に適用されてきました。過去にもこの法律が違憲ではないかという問題が裁判所で争われ、最高裁判所も違憲ではないという判断を示したこともありました。ではなぜ、平成25年の決定では違憲と判断されたのでしょうか。

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ここでは詳細は延べられませんが、簡単に言うと社会状況や国民意識の変化が理由です。最近では、法律上の結婚ではなく、事実婚を選択して一緒に生活している男女も増えていますし、そのような男女の間の子も増えています。そして、国際的にも国内的にも法律上の夫婦の間の子か否かで区別して取り扱うことを止める取組がされてきています。数十年前とは社会状況や国民意識が大きく変化してきているのです。そのような中で、親が結婚しているか否かという、子が自分で選択できない理由で相続分を別に取り扱われることは、もはや正当化できないと判断されたのです。
このように、過去は合憲とされた法律でも、今となっては違憲だということがあることは覚えておいていただければと思います。法律が憲法に違反していないか(国民の権利を不当に制約していないか)は、国民である私達は不断に考えていかなければならないことだと思います。

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ところで、平成25年の最高裁の決定の後、相続に関する法律の改正が本格的に議論され、国会で改正法の成立しました。新しい改正法は今後段階的に適用されていきますが、早いものでは平成31年1月31日に適用されるようになっているものもありますその内容については今後の記事で触れていきたいと思います。

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