やつしろの働く人 vol.31

トマト農家|池田 将宏さん

“植物工場”を管理する若き農場経営者

八代市水島町在住、27歳。秀岳館普通科特進コース卒業後、壺渓塾の公務員受験コースへ進むもその道を断念。実家のトマト農家を継ぐために滋賀県のタイキ園芸専門学校に入学1年間農業について学ぶ。帰郷して22歳の時に就農。昨年、農場の代表経営者となりミニトマトの養液栽培用ハウスを建設した。祖母、両親、妻、3人の子どもの8人暮らし。

台風被害から一転、養液栽培へ

水島町にある、球磨川の堤防のほど近くに建てられた巨大な温室ハウスでは、10月からミニトマトの収穫時期を迎えています。農場主の池田将宏さんは就農5年目という若き経営者で、八代市内でも数少ない“養液栽培”でミニトマトを生産しています。

「高校時代は特進コースで勉強漬けの毎日でした。公務員を目指していましたが、筆記試験は合格するのに面接がダメで(苦笑)。結局は実家の農家を継ぐことにしました。父親からはタダでは継がせないと言われ、滋賀の園芸専門学校で基礎知識や栽培技術を学びました」。

養液栽培とは、土を使わずに、肥料に溶かした液(培養液)によって作物を栽培する栽培法のこと。土寄せ、施肥、除草、などの土耕に必要な作業が省略でき、給水や肥料管理が自動化され、大規模化が容易になることなどが長所ですが、初期投資には高額な費用がかかります。「将来は養液栽培をしたい」と目標に掲げていた池田さん。実家のトマト栽培を手伝っていましたが、一昨年の台風でビニールハウスが全壊する被害にあいました。どうせ再建させるなら、と国の補助金を受けて念願だった養液栽培用のハウスを建設。26歳で独立し、農場の代表経営者となったのです。

全長約100mにも及ぶ養液栽培ハウス。栽培面積は35a。天窓までの高さは5mほどもあり、まるで工場のような大きさ。

ハウス内は温度・湿度・二酸化炭素濃度・光量・養液の量などすべてがコンピューター管理によって自動化されています。その日の気温や天候状況に合わせて機械が作動し、植物にとって最適な栽培環境が常に保たれていますが、全て機械任せではありません。池田さんはトマトの生育状態を毎日確認し、機械操作や数値入力などに細心の注意を払っています。また、既製品の養液を使わず、数種類の薬品や養分を独自で配合した養液を使用するこだわりも。「子育てと同じで、きちんと手をかけてあげることで植物は健康に育ってくれます」と池田さん。

池田さんの農場には日本人のパートさん2人と、5人の外国人労働者がいます。規模を拡大した分収穫量も増え、10月から6月半ばまでの長い収穫期間には人手が必要です。手作業による収穫を担う外国人従業員の労務管理や、生活面のサポートなども経営者としての重要な仕事。「国の家族のために頑張る彼女たちにとって働きやすい環境を整えるよう心掛けています」。若き経営者の躍進はこれからも続きます。

ヤシの殻を敷いた培地に、培養液が自動で給液されます。

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