村ガール桃子の今日も坂本日和 #19

坂本町の鮎帰地域に「早水(そうみ)」という地区があります。早水にはおよそ540年ほど前に建立されたといわれている「薬師堂」があり、その境内には八代市指定の天然記念物「薬師堂の銀もくせい」がありますが、なんと今年の1月、暴風により倒されてしまい、残念ながら伐採されてしまいました。銀もくせいの木は薬師堂が建てられたときに植えられた伝えられていますので、樹齢は540年を超えていたはずです。薬師堂前の道路を通るときは必ず目につく、早水のシンボルともいえるとても大きな木でした。集落の皆さんも、小さい頃はこの銀もくせいの木のところでよく遊んでいたそうです。
そんな、長年地域のよりどころとであった巨木がなくなりとても寂しくなった早水地区でしたが、実は伐採された銀もくせいはステキな下駄に生まれ変わっていました!仕掛け人は、地元鮎帰で林業を営む亀田産業の亀田洋さん。亀田さんは倒れていた銀もくせいの木の伐採を頼まれていましたが、せっかくの思い出の木がさっぱりなくなってしまうのは悲しいので、なんとかして形に残らないかと考え、鮎帰の日光(にちこう)地区の桐下駄作りの達人・高野義人さんに依頼をしたのでした。
高野さんは普段は桐の木でしか下駄を作らないため、銀もくせいの木を扱うのは初体験でとても苦労をされたそうです。銀もくせいはとても硬くて下駄作りには向かないそうですが、さすがは達人、完璧な仕上がりの下駄を制作されました。先日、無事に早水地区の皆さんに贈呈され、亀田さんの粋なはからいと高野さんの職人技に、皆さんとても感動されていました。

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