やつしろの働くひと Vol.76

やつしろぷれす やつしろの働くひと

い草・畳表生産農家
たからクラフト
清田一生さん

家、地域、国の宝
日本の良き文化を次代へ
い草生産者の描く未来

清田一生さん(31)。開新高校卒業後、東京で空港保安検査員として働く。熊本地震後、家業のい草、畳表生産農家の4代目として就農。2025年1月から屋号『たからクラフト』で、い草・畳表の生産、普及に力を注いでいる。全国農業青年クラブ連絡協議会九州ブロック理事。祖父母、両親と5人暮らし。

曾祖父から4代続くい草農家
1枚の名刺が発奮材料に

 すがすがしい爽やかな香りと共に、触れると何とも言えない安心感や懐かしさに包まれる日本文化の象徴「畳」。八代はその材料となるい草の一大産地として知られていますが、生産農家数は1989年の5500軒から220軒に減少。その中で、ひたすらい草と畳表の生産に打ち込む家族がいます。

 清田一生さんはい草農家の4代目。高校3年時、家業を継ぐか就職するかを迷っていた一生さんに「自分の思うように」と背中を押してくれたのが父・主税さんでした。

 保安検査員として働く中でも「農家の長男としてこれでよかったのかという想いが頭をよぎっていた」と言います。上京から4年が過ぎ、転職も含めその後の人生を考えていた時に起きた熊本地震。「八代に戻るなら今」と心を決め、再び故郷での生活をスタートしました。農業の世界に飛び込んだ一生さんに主税さんがかけた言葉は「昔のようにはいかんぞ」という、厳しくも温かい、一生さんを奮い立たせるものでした。

 しかし、農業についてはずぶの素人。当初は言われることをこなすだけの日々でした。転機となったのは4Hクラブへの参加。「歳の近い農業者から屋号の入った名刺をもらって。それまでの農業のイメージが一変しました」。一つの出会いが「自分も名刺を持って仕事ができるようになりたい」という目標に代わり、そこからが一生さんの新たな出発となりました。

 

い草農家の仕事は、1月の苗更新から始まり、10月まで稲割りを繰り返し、12月にようやく植え付け。67月の収穫、乾燥と続きます。農業的作業とは別に、畳表を織る職人的作業も年間を通しフル稼働

乾燥したい草を1本1本目視で選別している父の主税さん

 

織り上げた畳表の表面のささくれも丁寧に処理。細部に人の手が入ることで良質の畳表が完成します

お問い合わせ:たからクラフト
住所:八代市鏡町宝出149-2
TEL:080-6448-8691
インスタ:@takaracraft_kiyota