やつしろ法律相談

今回は、交通事故の中でも「好意同乗」と言われる場合の問題についてお話します。

自動車をお持ちの方は、自分が運転する自動車に知り合いを乗せて一緒に出掛けたり送迎したりしたことがあると思います。では、行為で知り合いを自動車に乗せているときに事故を起こしてしまい、同乗している知り合いがけがをしたとき、運転者は同乗者に対して損害賠償の責任を負うでしょうか。

かつては、このような場合には同乗者は運転者の行為で自動車に乗せてもらっているのだから、同乗者からの損害賠償は制限されるべきだという考えもありました。

しかし、現在では、同乗者が運転者の好意で同乗いうだけで損害賠償請求が制限されるべきではなく、このような場合でも、原則として、運転者は、同乗者に対する損害賠償責任を負うと考えられています。ただし、同乗者にも落ち度があるような場合には、損害賠償額が減額されることがあります。

損害賠償額が減額される可能性があるのは、次のような場合です。

① 運転者が無免許であるとか、飲酒しているかなど、事故発生の危険性が高いような客観的な事情を、同乗者が事前に知りながらあえて同乗した場合

② 同乗者が運転者のスピード違反を煽るなど、同乗者自身が事故発生の危険性を増大させた場合

③ 同乗者が自分の自動車を運転者に運転させていたときなど、同乗者と運転者が共同運行供用者にあたる場合

④ その他、同乗の経緯などから、同乗者に一定の落ち度が認められる場合

①ないし④のひとつ又は複数に該当する場合には、損害賠償額が減額される可能性があります。具体的に何割の減額となるかは、運転者の過失の内容・程度や同乗者の落ち度の内容・程度など、個別の事情を総合的に検討して決められることになります。最近の裁判例では、おおよそ1割ないし3割程度の減額となることが多いようです。

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友人何度と一緒にドライブに出掛けるのは楽しいですが、羽目を外し過ぎて同乗者にけがを負わせてしまうと、損害賠償の責任が発生します。また、同乗者の側も、一定の落ち度がある場合には充分な賠償を受けられないこともあります。危険な運転にならないよう、充分に注意してください。

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監修/八代綜合法律相談事務所 弁護士 髙橋 知寛 先生

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