やつしろの働くひと Vol.65

やつしろぷれす やつしろの働くひと

二見ライスセンター代表
米、野菜生産者

園川清市さん

寒暖差が育む特産品 “ふたみのお米” ブランド確立し全国へ

八代市二見在住。園川清市さん(55歳)。八代東高校卒業。22歳でヤマハ熊本プロダクツに入社。叔父が経営していた二見ライスセンター継承のため、27年間務めた会社を退職し、代表に。現在、米や小麦を生産する傍ら、『アグロード二見』の活動も行う。妻と2人暮らし。

新しいことにチャレンジできる 農業の面白さを噛みしめて

49歳でヤマハ熊本を退職し、二見ライスセンターの代表を務める園川さん。高校卒業後は実家の農家を継がずに会社員として働きながらも、「いつかは地元で本格的に農業に挑戦してみたいという思いが頭の片隅にあり、叔父からの継承が新たな挑戦を始めるきっかけになった」と振り返ります。現在、二見はもちろん、田ノ浦、坂本、植柳、郡築など広範囲の農家で収穫した米の乾燥、籾摺りを担っています。「米の収穫が始まるこれからが繁忙期。11月初めまでは、目の回るような忙しさが続きます」。

ライスセンターの運営以外にも、米と小麦の生産や、ドローン農薬散布の請負を行っている園川さん。「50歳手前で始めた農業。知っているつもりでも、実際育てるとなると分からないことも多く、失敗と挑戦の連続です」と笑います。今年も田植え前の苗づくりで失敗。「でも会社勤めとは違い、自分の計画次第でやりたいことを実現できる農業はとにかく楽しい」と、何事もポジティブに捉え、前に進んでいます。

特に手塩にかけて育てた米を、乾燥、籾摺りし、販売まで手掛ける園川さんは、清らかな水と寒暖差の大きい気候といった自然の恵みを受けて育つ二見米の味と品質には絶対的な自信を見せます。「今年から〝ふたみのお米〟のブランド名で全国に発送を開始します」と園川さん。新たな挑戦には、二見を農業で再び盛り上げていきたいという熱い思いが込められています。

これから11月まで籾摺りがフル回転するライスセンター

ブランド米『ふたみのお米』で全国展開がスタート

地域の高齢化、後継者不足 耕作放棄地の解消にも尽力

 農業従事者の高齢化が進む二見地区は、土地があっても作物を作る後継者がおらず、手つかずの荒れ地になる耕作放棄地の増加という社会課題を抱える地域でもあります。この現状をどうにか食い止めようと、2022年7月に仲間と一緒に『アグロード二見』を立ち上げ、1年が過ぎました。今年4月には、二見洲口地区に環境保全地域おこし組合を立ち上げるなど、地域づくりにも取り組み始めました。

 土地の整備を進めながら、今後は米や小麦、大豆などの栽培にも力を入れていくそう。「とにかくまだまだマンパワーが足りません。自分たちと一緒に汗を流してくれる人を巻き込みながら、二見に活気を取り戻していきたい」と園川さん。緩やかではありますが、確かな一歩を踏み出しています。

年末から新たな耕作放棄地の整備に取り掛かる園川さん。荒れた土地にも来年は多くの作物が育っているはず

●お問い合わせ:二見ライスセンター
TEL 0965-38-9113
住所 八代市二見本町534-1
インスタ @agroadfutami

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。