変革期迎えた子育て
次世代を見据えたサポートを
約30年にわたり子どもの発達支援に関わってきた吉野さんは、時代の変化、不確かな情報の氾濫を背景に子育てに関わる親御さん、とりわけママたちのケアの必要性を感じてきました。
ある日、保育士があるお子さんの発達について母親に助言すると、「あなたたちは所詮、保育士でしょう」という言葉が投げかけられた現場を目の当たりにしました。それをきっかけとし、「子どもの発達支援についての助言ができるよう専門的に学び、学んだ知識をママたちに正確に伝えていきたい」と考えるようになりました。
その時に出合ったのが(一社)日本アタッチメント育児協会の「育児セラピスト」。この資格は看護師や保育士、子育てをしている親御さんなど誰もが受験でき、発達心理学や精神医学、夫婦コミュニケーションなど、さまざまな見地からの学びを深めていきます。吉野さんは県内初の育児セラピスト(1級)で、保育施設やマルシェなどで、保育関係者や親御さんらに子育てのアドバイスをしています。
「子育てを取り巻く環境は今と昔とでは大きく違っています。親御さんの育ってきた環境が異なれば、膨大な情報も溢れています。子どもの発達に気になるところがあれば医師や専門家に聞くまでもなく、スマートフォン頼り。情報の信ぴょう性に関わらず発達障害と自己判断しているケースもある」と警鐘を鳴らします。
子育ての変革期を迎えた今、「次世代こども教育コンサルタント」の資格も取得。次代を見据えた支援に力を注いでいます。
子育てに必要なのは “濃縮ジュース”
女性のセカンドライフも応援
「子育てに必要なのは“濃縮ジュース”」と強調する吉野さん。1日3分でいいからしっかり子どもの目を見て会話をすること。他人と比べない。ご飯とみそ汁といった日本古来の食事を見直すーといったことの大切さを、ママたちに伝え続けています。さらに“色彩”から人の心を探求する色彩心理学の学びを、子育てや家族関係に悩むママたちに伝える相談会なども実施しています。
また今年1月には、県内のスタイリストやカメラマン、産婦人科医など、異業種の女性たちのコミュニティ『ファッションスタイルラボ』にも参画。女性のセカンドライフを応援し、イキイキと輝く未来につなげる活動を推進しています。「ママたちが一人の女性として輝いていける社会を後押しするサポートを続けていきたい」という吉野さん。熊本から九州、全国へとママ(女性)たちの笑顔の輪が広がっていきます。
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●吉野美鶴さん(57歳)
1968年、八代市生まれ。西南女学院大学短期大学部卒。八代市社会福祉事業団などを経て、30年以上発達障がいに関わり、児童発達支援管理者として携わる。47歳の時に県内第1号の育児セラピストに登録(日本アタッチメント育児協会認定)。2021年、心を救うママケア・サポート『with』を発足。次世代こども教育コンサルタント。




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