やつしろの働く人 #26

やつしろぷれす やつしろの働くひと

花卉農家 田村民子さん

八代市東陽町在住、72才。氷川町のい草農家に生まれる。竜北中学校を卒業後、集団就職で京都の「三菱電機」に就職し、テレビの真空管を生産する工場に4年間勤務した。熊本に帰郷後、実家のい草農業を手伝う。24才で東陽町の生姜農家に嫁ぎ、15年前からシネンシス(ハイブリッドスターチス)の栽培を始める。現在JAかあちゃん市場の会長(二期目)に就任中。夫、長男、長男の妻、孫1人の5人暮らし。

農協に勧められて栽培を始めたシネンシス

八代郡氷川町にあるい草農家の7人兄妹の次女として生まれた田村民子さん。氷川町竜北中学校を卒業後、15才の時に集団就職で京都へ。当時、日本は高度経済成長期の真只中。家電製品が急速に一般家庭へと普及していった時期で、”三種の神器”と呼ばれたテレビの真空管を生産する工場で働きました。19才で帰郷し実家の家業のい草を作る手伝いを始め、24才の時にご縁があって東陽町の生姜農家へ嫁ぎました。

結婚した当時は生姜やタバコ、みかん、アリアム(ネギ科で球状の花)など様々な農作物を生産していましたが、主要生産物である生姜の買い取り値が100円台に値下がりし、収入が落ち込んだ時期もあったそう。そんな時に農協からの勧めで栽培を始めたのが「シネンシス(ハイブリッドスターチス)」という花でした。

シネンシスは、かすみ草のように枝が細かく分岐して、多数の可愛らしい小花をつける植物です。花弁の色が黄色で、萼(がく)の部分が多彩な色をつけるのが特徴。寒冷地が原産の種類で、苗は低温処理された状態で届くとか。「栽培を始めた最初の頃は温度管理が難しくて、なかなか花の咲かんかったとよ」と田村さん。3~4年してようやく開花したといいます。

花と生姜の出荷を家族二世代で分業に

シネンシスは生姜の収穫時期と被らず、比較的手がかからない品種です。しかも軽量で扱いやすいため、現在は田村さんご夫妻が花の出荷を担当し、重い生姜の出荷は長男さんご夫妻が担当して二世代で仕事を分業しています。シネンシスの出荷先は関東や関西方面をはじめ、北は仙台や札幌まで渡るとか。毎年1月に出荷が始まり、2月のバレンタイン時期、3~4月卒業・入学シーズン、5月の「母の日」などで需要が高いそう。田村さんが愛情込めて育てるシネンシスは、氷川町の「かあちゃん市場」にて購入できます。

 

 

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