やつしろの働くひと Vol.75

やつしろぷれす やつしろの働くひと

八代森林組合
中田龍太さん

山を知り、山を守る
若きフォレストワーカーの新たな挑戦

中田龍太さん(25)。八代農業高校卒業後、リサイクル工場、介護施設、就労施設勤務を経て熊本県立高森高校の実習助手として働く。
20254月から『八代森林組合』に入職。

美しい景観、森を安全に守る
森のレスキュー隊という仕事

 「小さい頃夢見た仕事はレスキュー隊なんです」。はにかみながら答える中田さんは、今春『八代森林組合』に入職したばかりで、現場作業員として木々の伐採や雑草整備など、主に森の管理を担当しています。

幼き日に夢みたレスキュー隊とは一見異なる仕事のように思われるかも知れませんが、人々の暮らしに危険を及ぼさないよう森を整備、管理をしたりする、いわば森のレスキュー隊とも言えるのが、中田さんたちフォレストワーカー(林業従事者)の仕事です。

 前職では工場勤務や福祉関係の施設、学校など、様々な仕事を経験。組合に勤めている同級生から仕事の面白さなどの話を聞き、「やってみたい」という気持ちが沸いてきたそう。入職してまだ半年ですが、当初抱いていた林業のきついイメージが一変。実際森に入りチェーンソーで木を切っていくと、「その迫力に圧倒されますが、楽しさの方が勝る」と語ります。

 木を切る際は、安全を確保し枝ぶりや切る方向などを綿密に検討しながら切り込んでいきますが、入職して間もない頃に切る方向を間違えた経験が。「先輩のサポートで大事には至りませんでしたが、改めて命に関わる仕事であることを再認識しました」。

 

 

 

 

勾配のある森の中での作業は危険を伴うため、先輩と2人1組で木を伐採。全身に力がみなぎります

森の整備の現場では様々な機械が行き来します。

信頼できる仲間に囲まれて
資格取得し仕事の幅を広げたい

 現場での仕事で一番重視しなれければならないのが、安全に仕事を終えること。必ず2人1チームで現場を進めることが徹底されています。集中力を絶やさず仕事をする中でも、「先輩方とのコミュニケーションを大切にしている」という中田さん。職場の雰囲気づくりにも気を配り、先輩とは何でも相談できる関係性を築いています。

 林業に携わるには作業ごとにいくつもの資格を取得していなければ、機械を動かすことはできません。「ようやくチェーンソーを扱えるようになりましたが、これからもっと勉強していかなければ」と先を見据えています。

 今後、玉掛けやフ車両系建設機械などの資格取得へ向けた勉強もスタート。「どこにでもある平凡な山が、木を整備することで見違える山になります。スッキリとなった現場を見ると、さらにやる気が沸いてきます」。中田さんの新たな現場での挑戦は始まったばかりです。

10以上の資格を持ち、見事な手さばきで機器を操る先輩職員。中田さんもその背中を追いかけます

 

お問い合わせ:八代森林組合〈本所〉
住所:八代市泉町下岳101
TEL:0965-67-2231