やつしろの働くひとVol.58

やつしろぷれす やつしろの働くひと

小学生の時に抱いた夢を実現! 夫婦二人三脚の梨作り

八代郡氷川町在住、木野孝義さん(写真右・39才)、美香さん(40才)。孝義さんは八代農業高校を卒業後、熊本デザイン専門学校、広告代理店、パソコン講師などを経て、2014年から就農。地域の小・中学校での課外授業や体験受け入れも。妻と子ども3人の5人暮らし。

「吉野梨」作る魅力と誇りを胸に 31才で挑んだ農業

 真夏のギラギラした太陽の下、たわわに実を付ける梨園で生育の様子を見守る木野孝義さん、美香さん夫妻。「まだ小さいですが、これから太陽の光をたっぷり浴びて、日に日に甘さを増していくのですよ」と、わが子を見守るような温かなまなざしを向けます。

 地元の農業高校を卒業後、デザイン学校や広告代理店などの仕事に就いていた孝義さん。「いろいろな仕事を経験しましたが、小さい頃からの夢をあきらめきれなくて…」。8年前、小学校の卒業文集で誓った『将来は美味しい梨を作る』という夢を実現しました。

 幼少の頃から、氷川のブランド梨として知られる「吉野梨」を作る両親の姿を見て育った孝義さん。気候変動や災害などに左右される農業の大変さを間近で見てきたものの、「古くからこの地に伝わる梨作りの魅力と誇らしさが、常に頭の片隅にあった」と語ります。

 就農後は、両親とは経営を分け約2ヘクタールの農地で幸水、豊水、秋麗、秋月、新高など品種の異なる梨と太秋柿の栽培を行っています。「梨は7月後半から9月中旬くらいまで、次から次に収穫の時季を迎えます。どの梨もそれぞれのおいしさがありますが、まん丸くて見た目もかわいい秋月は、ぜひ一度食べてほしいですね」と微笑みます。

明治37年にこの地で始められた吉野梨の栽培。ブランド梨としての価値を後世に伝えようと、小中学校で講話を担当。体験受け入れも積極的に行っています

氷川ブランドを後世へ こだわりの生育法で“味”を確立

 袋掛けをせず、陽の光をたっぷり注ぎ育てるのが「吉野梨」ならではの生育法。有機肥料のみを使い、1本の樹になる果実の数をできるだけ減らし栄養を生き渡らせることで、大きく、凝縮された味になるのだそうです。

 農園経営においては、さまざまな職歴のある孝義さんが看板デザインや販売ツールの確立などを担当し、美香さんがSNSで日々の農業の様子を発信するなど、それぞれが得意とすることを生かしています。

 「私たちが育てた梨をおいしいと食べてくださるお客さまの笑顔を見ると本当に嬉しいです。さすがに台風が2年連続で来ちゃうとへこみますが、それらも含めて農業ってやっぱり楽しい」と顔を見合わせる二人。昨年から桃など新たな果樹栽培にも挑戦しながら、二人三脚の農業に期待を膨らませています。

大きなものは、何と1個1キログラムもあるという吉野梨。圧巻の大きさです!
微生物の力を最大限に生かした広々とした圃場で育つ吉野梨。これから9月中旬までさまざまな種類の梨の収穫が続き、全国のファンのもとに発送されます

●問い合わせ

きのみ農園
八代郡氷川町高塚440-1
080-3180-7337
ホームページ▶︎ https://kinominouen.shop-pro.jp/
インスタグラム▶︎ https://www.instagram.com/kinomi_nouen/?hl=ja
LINE▶︎ https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=096aomks

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