い草・畳表生産農家
ミゾグチタタミファクトリー
溝口 善大さん
15年先を見据え、い草の生産・普及にギアアップで挑む!!
溝口善大さん(24)。秀岳館高校卒業後、京都の自動車製造工場勤務。20歳で家業のい草、米、野菜を育てる生産農家の4代目として就農。『4Hクラブ』、『FamLab8』、い草若手生産者でつくるチーム『未来』など、八代の農業を支える様々な団体に所属。祖父母、父と4人暮らし。
日本の畳文化を支える、八代の最年少い草生産者
日本の伝統文化「畳」の材料となるい草の約9割を生産する八代。しかし生活様式の変化や中国産、紙畳の普及などから、長きにわたり親しまれてきた本畳の需要は減少。加えて近年の肥料や燃料費の高騰、環境変化による夏場の日照りに大雨、生産者の高齢化などを背景に、い草の生産農家数は年々減少の一途をたどってきました。
そのような中、地元に戻り家業のい草生産に打ち込んでいるのが溝口さんです。「学生の頃はもちろんですが、八代を離れて県外に就職した際、コロナ禍で工場での仕事にやりがいを感じられなくなった時にも、農業を継ぐとは思ってもいませんでした」。
きっかけとなったのは、父にい草農家の現状を聞いた4年前。曾祖父の代から続けてきたい草の生産から米、野菜に転作しようという話を聞いた溝口さんは、当時工場で一緒に働いて和歌山出身の友人にその話をすると「い草って何?」という、考えもしなかった言葉が返ってきて衝撃を受けたそう。「日本に住んでいながら畳の原料を知らない人がいる。この生産をここで途絶えさせてはいけない」という思いが沸いてきて、20歳の成人式で帰郷。そのまま八代の最年少い草生産者として汗を流す日々です。
他業種とのコラボでワークショップ 間口を広げ、い草の魅力発信へ
就農したと言えども、右も左も分からない世界。本格的にこの先を考えるようになったのは、若手農業者の集まりである『4Hクラブ』や若手農業経営者で創る『FamLabo8』に参加してから。「農作業だけではない、農業の魅力を様々な若手生産者から教えてもらい、それまでの農業に対する考えが一変しました」と振り返ります。
家に和室がない人にもい草の魅力を知ってもらうため、ショッピングセンターでのリースやしめ縄づくりのワークショップを開くほか、地元高校とのコラボでクルーズ船の観光客向けにい草ディフューザーなどを製造、販売するなど、これまでとは異なる客層向けの事業も展開しています。「い草生産者を取り巻く厳しい現状は今も変わりません。でも、い草にはまだ伝わっていない魅力がたくさんあります。15年先を見据え、とにかくできることを全てやってみる。これでダメならきっぱり辞める覚悟です」と言い切る溝口さん。ギアを上げて全力で挑む若き生産者がどのような新たない草の魅力を見せてくれるか、今後が楽しみです。

(写真左)い草の植え付けをする溝口さん。
(写真右)2024年11月に開催された『くまもと農業フェア』にて、来場者と一緒にい草のしめ縄作り。
(写真左・中央)い草のしめ縄やリース作りは、今後フラワーショップとのコラボも。
(写真右)ジュエリー作家『itiiti』さん制作のブローチには、溝口さんのい草を使用。
●お問い合わせ:ミゾグチタタミファクトリー
住所:八代市鏡町有佐643
TEL:080-2743-1769
インスタ:@mizoguchi_tatami_factory



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