海外生活を経験したからこそ分かる
日本の原風景が残る坂本町の魅力
明るい笑顔に、歯切れの良い語り口調。親しみやすさがにじみ出ている柳本さんは、昨夏から坂本町の地域おこし協力隊として活動している職員です。
学生時代は海外と日本をつなぐ仕事をしたいと考えていた柳本さんは、タイで当時のパートナーとアジア最大級のアニメイベントを実現した経歴の持ち主。帰国後はマーケティング会社に就職。金融、ブランディング、マーケティングと経済の中心となる業界を渡り歩いてきました。その柳本さんがなぜ今、坂本町の地域おこし協力隊の道を選んだのかー。「実は以前、坂本に来るのが嫌だった時期がありました。整えられた静けさと利便性のある大阪との環境の違いへの戸惑いからかもしれません」。
しかし海外生活を経験し、異文化での暮らしの中でふと思い出すのは、近代的な発展を遂げる大阪の街ではなく、祖母が作ってくれたぼたもちや煮物などの温かい手料理、青々とした夏の山など、日本ならではの暮らしの記憶でした。「人生の濃淡を乗り越えたからこそ、自分の心の奥底にある本当に大切なものが見えてきたのかもしれません」。
坂本町の魅力を届ける繋ぎ手に
人が集う交流拠点づくり目指す
6年前に帰国した柳本さん。大阪という土地の持つ力強さに誇りを感じつつも、日々同じリズムで繰り返される生活の中で、「幸せとは何か」と考えるようになりました。その中で、“子育て”が移住を決意する一つのきっかけになりました。「現在2歳になる息子は、四季の移ろいや古くから続く日本の暮らしや文化を、日常の中で自然に体験できる環境で育っています。心が大きく育つこの時期に、かけがえのない経験をさせていただいていることに、日々感謝しています」。
地域おこし協力隊としてはこの1年、冷凍ぼたもちの商品化やジビエ商品の改良など、特産品の商品開発、販路開拓などに力を尽くしてきました。2年目となる今年は、SNSを使った情報発信の強化、そして任期最後となる来年は、道の駅の完成へ向けたプロジェクトが本格稼働します。「水害から今日まで、復旧に関わられた方々の想いを受け取り、坂本の魅力をさらに多くの方に届けていきたい」と柳本さん。そして最終目標として掲げている常設の交流拠点づくりへの第1歩として『ぼたもちカフェ』を開催。いつ来ても誰もが立ち寄れる拠点の完成を、多くの人が待ちわびています。
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プロフィール
●柳本美緒さん(41歳)
1985年、大阪府豊中市生まれ。神戸大学卒業後、銀行勤務を経て23歳でタイへ。日本文化を広めるブランディング会社を立ち上げる。6年前に帰国。大阪のマーケティング会社に在籍しながら、坂本町の農事組合法人「鶴喰なの花村」の広報を担当。2025年7月、同町へ移住し地域おこし協力隊として活動中。




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