やつしろの働くひとVol.50

やつしろぷれす やつしろの働くひと

栄養満点! 食感もヨシ!! 八代産「生きくらげ」

熊本市在住、山平拓義さん(39才)。天草松島商業高校(現『上天草高校』)を卒業後、専門学校に進学。福祉の道へ進んだのち、きくらげの生産者に転身。現在は、八代市坂本町できくらげの栽培・販売を行なう『山之屋』代表を務め、熊本市内から通勤する日々。家族は、妻と子ども4人。

新鮮なきくらげの見分け方は、笠状の内側が白くなっているのが、新鮮さの証。冷凍すれば半年、冷蔵で約2週間の保存が可能
『山之屋』のきくらげは、九州産の菌床(写真の白い箱状のもの)を使い、純国産にこだわって栽培

きくらげとの出会い、豪雨災害を乗り越えて

 山々に囲まれた坂本町に山平さんが代表を務める『山之屋』のきくらげ工場があります。実はこちら、6月に再スタートしたばかり。以前は球磨川沿いにありましたが、令和2年7月豪雨で被災。会社は、休業に追い込まれました。「絶望的だったところに、たくさんの励ましをいただきました。無事に新たな工場が見つかり、ゼロからの再出発です。前向きに頑張りたい!」。力強く語る山平さんは、全国でもめずらしい“純国産の生きくらげ”を栽培し、地元の『道の駅さかもと』『よかとこ物産館』をはじめ、関東を中心に広く出荷しています。

 もともと、福祉業界で働いていたそうですが、ひょんな出会いから、きくらげ会社の社長と知り合い、33歳で脱サラし現在に至ります。坂本町の雇用創出、そして農福連携の場としての夢を抱きながら、再チャレンジは始まったばかりです。

きくらげの栽培ルームは、徹底した衛生管理と、湿度管理を行なっている

健康食材としても注目!食感の変化も楽しんで

 日本に流通しているきくらげの大半が、中国産というのをご存じでしょうか。純国産のものは、わずか2%。『山之屋』のこだわりは、九州産の菌床を使い、栽培の生命線ともいえる「水」、さらに、徹底した湿度管理です。「水がきれいな坂本町は、きくらげの栽培に適していますね」。その結果、色・形・厚みの3拍子がそろった立派な肉厚生きくらげの栽培が可能というわけなのです。

 また驚くべきは、その栄養価。丈夫な骨を作るのに欠かせない「ビタミンD」、腸内環境を整える「食物繊維」の含有率は、食品の中でもトップクラス!

 「マイナーな食材かと思いきや、じつはポテンシャルが高い。熊本県は、生産量も全国2位ですし、もっと皆さんに食べていただきたいですね」。30秒ほど、軽く湯通しすればサラダに入れてシャキシャキ感が楽しめます。火加減次第では、ぷるぷるになったり、トロトロになったり、食感の変化も魅力の一つ。「中華料理ではお馴染みの食材ですが、千切りにして圧力鍋で15分ほど湯がき、きな粉と黒蜜をかければ、おいしいスイーツの完成です」。無味無臭のため、料理の使い勝手も良く、万能食材なのです。地元で育まれた栄養満点の生きくらげを、日々の食卓でぜひ活用してみてください。

『山之屋』の商品。肉厚で、見るからに美味しそうな生きくらげ。店頭で見かけたら要チェック!

●問い合わせ

山之屋

八代市坂本町百済来上2706-2
TEL/090-5089-0445

HP/https://yamanoyakikurage.com

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