やつしろ法律相談

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 未成年の子どもがいる夫婦が離婚や別居をするとき、子どもと一緒に生活していない親が子どもと会ったり、連絡を取ることを「面会交流」といいます。

 面会交流を行うか否か、行うとしてどういう方法で行うかといったことを決める場合、どうするのが子どもの利益(福祉)になるのかを中心に考えていくことになります。離婚や別居をする夫婦間には複雑な事情があることが多いですが、面会交流の話し合いの場面では、夫婦間の問題はさておいて、子どもの利益を実現するために互いにどうするのがいいのかを冷静に協議する必要があります。

 実際に面会交流を行う場合に、それが子どもにとって楽しく意義のあるものになるために、双方の親が留意すべきとされる事項がいくつかあります。

 まず、面会交流の実施前においては、❶親の都合ではなく、子どものスケジュールや体調などに十分配慮して日程調整を行うこと、❷送り出す側の親は、子どもを不安にさせるようなことは言わず(実際には連れ去りの危険はないのに、「連れて行かれそうになったら逃げるように」と言うなど)、さりげなく送り出すこと、❸可能な場合には、事前に親同士で打合せを行うこと(例えば、子どもが誕生日のプレゼントに何を希望しているのか情報提供をしておくなど)などです。

 面会交流当日においては、❹約束の集合時間・解散時間は必ず守ること、❺子どものペースに合わせて無理のない交流をすること、❻誕生日などの特別の事情がない限りプレゼントは控えること、❼普段の生活を詮索するようなことを聞かないこと、❽もう一方の親の了解がないのに、子どもとの間で約束をしないこと、❾子どもが帰ってきた後に、面会交流の様子を細かく詮索しないことなどです。

 両方の親が、子どもの利益を図るという共通の目的のために、上記のような事項に留意しながら面会交流を行うという協力関係を築くことができれば、子どもも安心して両親との関わりを持ち続けることができるでしょう。そのような協力関係を築くことが簡単ではないこともありますが、何のための面会交流のなのか、どうすれば子どもの利益になる面会交流になるのかについて、共通認識をもつことがはじめの一歩になるものと思います。

 裁判所のホームページ(https://www.courts.go.jp/links/video/hanashiai_video/index_woc.html)には、親が子どもに関する話し合いをするときに心がけたい事項について、分かりやすく説明した動画が配信されています。これから話し合いを行う親はもちろん、既に話し合いを始めている親も、是非、両方の親がそれぞれ視聴なさって下さい。

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監修/高橋法律事務所 弁護士 高橋知寛先生

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