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【自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン】

 自宅が壊れたのに住宅ローンが残っている。仕事や店舗が被害を受け、事業資金の返済も続いている。そのうえ、新しい住まいや設備のために、さらに借入れが必要になることがあります。このような被災後の「二重ローン」は、本人の努力だけでは解決が難しい問題です。早い段階で利用できる制度を知ることが重要です。

そこで知っていただきたいのが、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」です。

 これは、地震の影響で従来どおりの返済が難しくなった個人が、金融機関などと話し合い、住宅ローンや事業性ローン等の減額・免除を目指す制度です。会社は対象外ですが、個人事業主は利用できる可能性があります。

 要件を満たし、債権者の同意が得られれば、生活再建に必要な一定の財産を手元に残せる場合があります。破産等の法的手続と異なり、原則として個人信用情報、いわゆる「ブラックリスト」に登録されないことも特徴です。手続を支援する弁護士等の「登録支援専門家」の費用も、原則として本人負担がありません。

 ただし、被災すれば当然に債務が免除されるわけではありません。利用の可否は、地震と返済困難との関係、収入・資産、借入れの経緯、今後の生活再建の見通し等を踏まえて判断されます。対象は原則として災害前からの債務であり、一部ではなく借入先全体との調整が必要です。

 「まだ延滞していないから相談できない」と考える必要はありません。預金を使い切ったり、新たに高金利で借りたりする前に相談することが大切です。返済予定表、通帳、収入資料、罹災証明書等も保管しましょう。まずは、最も多額のローンを借りている金融機関に、ガイドラインの利用を検討したいと申し出てください。

 相談先が分からない方は、熊本県弁護士会の「令和8年熊本地震なんでも無料電話相談」を利用できます。相談受付期間は変更される可能性があるため、同会のウェブサイトで最新情報をご確認ください。

 これは、これからの暮らしを守り、再出発の方法を探すための相談です。一人で抱え込まず、早めの相談を検討してください。

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監修/髙橋法律事務所 弁護士 髙橋知寛先生